士業の収益安定化は「新規集客」より◯◯で決まる

士業の先生から、
「なかなか売上が安定しない」
「問い合わせがあっても不安定」
「毎月ゼロから集客している感覚がある」
という相談を受けることがあります。
その際、多くの先生がまず考えるのは、
「もっとSEOを頑張るべきか」
「広告を出すべきか」
「SNSを強化するべきか」
という“集客数”の問題です。
もちろん、新規集客は重要です。
ただ、実際に現場を見ていると、長く安定している士業事務所ほど、単純な問い合わせ数よりも、
をかなり真剣に考えています。
逆に言えば、この部分を曖昧にしたまま「とにかく問い合わせを増やそう」と動くと、忙しいのに利益が残らない状態になりやすいです。
特に士業は、一般業種と比べるとかなり特殊なビジネスモデルです。
実は、構造的には非常に利益率が高く、安定しやすい仕事でもあります。
つまり、原価率から考えれば士業自体は勝ち組と考えるべき業務なのです!
しかし、その強みを活かせていないケースも少なくありません。
今回は、私自身が士業の先生方の相談現場を見てきた中で感じる、「士業の収益安定化」について、実務感ベースで整理してみたいと思います。
士業の収益が安定しない理由は「集客不足」だけではない

士業の先生の多くは、真面目です。
そのため、
「もっと頑張らなければ」
「もっと問い合わせを増やさなければ」
と考えがちです。
ただ、実際には、単純な集客不足だけが問題とは限りません。
むしろ現場では、
このあたりが曖昧なまま運営されているケースをかなり見ます。
特に開業初期は、
「まずは何でも受けよう」
となりやすいです。
しかし、それを続けると、
・利益が薄い
・相談対応ばかり増える
・時間が足りない
・疲弊する
という流れになりやすいです。
実際、士業は「自分一人で全て対応している」という先生も多いため、処理件数には限界があります。
つまり、件数勝負だけでは苦しくなりやすい業種なのです。
まず考えるべきは「どんなサービスを提供するか」
需要があるか、もしくは高単価が狙えるか
士業業界では、
「資格を取ったからこの業務をやる」
という形でサービスを決めてしまうケースがあります。
ただ、市場はかなり現実的です。
・検索需要があるか
・競合が多すぎないか
・価格競争になっていないか
・ニッチでも高単価を狙えるか
ここは冷静に見る必要があります。
実際、ニッチ業務でも、
・競合が少ない
・専門性が高い
・紹介が発生しやすい
・継続相談につながる
のであれば、十分成立します。
逆に、問い合わせは多いが単価が低く、手間ばかり増える分野もあります。
【要注意】私自身、士業の先生方の相談を見ていると、「忙しいのに利益が残らない」というケースは、かなり多い印象があります。
士業は実は「利益率が高い」業種
この点は、もっと真剣に考えてよい部分だと思っています。
一般業種は、かなり高い原価率の問題を抱えています。
例えば、他業種の原価率を例にあげてみますと、一般的な各業界の原価率は次のように言われています。
一方、士業はどうでしょうか。
もちろん、事務所家賃や広告費はあります。
ただ、一人事務所の場合、自宅で開業、経費は基本的にかけない、自分の人件費は考慮しないなどの状況であれば
極端な話、
「売上=利益(100%?)=原価率 0%?」
に近い構造になりやすい業種です。
つまり、利益率だけを見ると、かなり強いビジネスモデルとも言えます。
しかし、ここで多くの先生が見落としやすいのが、“自分の処理能力の限界”です。
士業は「処理件数」に限界がある

士業は、無限に案件処理できる仕事ではありません。
例えば、一人で対応していて、主たる業務が月3件程度しか処理できない業務内容だったとします。
この場合、年商1000万円を目指すなら、
月商は最低でも約83万円必要になります。
すると、
83万円 ÷ 3件 = 約28万円
つまり、1件あたり最低でも28万円程度の単価が必要になります。
ここを考えず、
「単価5万円を大量に受けよう」
となると、かなり苦しくなります。
実際の現場では、
・相談対応
・電話
・メール
・書類修正
・追加質問
・打ち合わせ
など、想像以上に時間を使います。
しかも、低単価案件ほど相談回数が多いことも珍しくありません。
結果として、
「忙しいのに利益が残らない」
状態になります。
収益安定化は「新規集客」だけでは成立しない
ここは、かなり重要なポイントです。
多くの先生は、「もっと新規問い合わせを増やしたい」と考えます。
もちろん、新規顧客は必要です。
ただ、実際に安定している事務所を見ると、“新規客獲得に依存”していないケースが非常に多いというのが長年現場を見てきた私の感想です。
顧客獲得には「新規」と「リピート」がある
顧客獲得には、大きく分けると2種類あります。
A)新規顧客
B)既存顧客からの再依頼
です。
そして一般的には、「新規顧客獲得には、既存顧客維持の5倍のコストがかかる」と言われています。
この数字は長い私の現場感覚からいっても正しいという実感があります。
SEO、広告、SNS、紹介施策。
これが、小売など他業種の場合は、賃貸物件のための家賃料や商業施設であれば、施設使用料などなど・・・
新規集客には、時間もお金も必要なのです。
一方、一度満足していただいたお客様は、
につながることがあります。
つまり、収益安定化で最も重要なのは、「一度依頼いただいたお客様に満足していただくこと」
なのです。
実は、うまくいっている士業には2タイプいる
私の周りで長く安定している士業の先生を見ていると、大きく2タイプあります。
1つは、事務所を拡大し続けるタイプです。
スタッフを増やし、広告も強化し、組織化していく、一般的にイメージされやすい“成功事務所”です。
ただ、実際にはもう1つのタイプもかなり多いです。
それが、「自分が対応できる顧客数を確保した後は、既存顧客対応に集中するタイプ」です。
このタイプの先生は、ある時期までは新規集客を頑張ります。
ただ、その後は、
を中心に、基本的に集客活動を休止し安定経営へ移行していきます。
私の感覚では、士業の先生は実は後者のタイプの方がかなり多い印象があります。
つまり、
「数年間、新規顧客獲得を頑張り、顧客基盤を作った後は、既存顧客対応を中心に安定経営する」
という形です。
実際、「もう積極的な新規集客はしていない」という先生も珍しくありません。
もちろん、最初から楽だったわけではありません。
地道に実績を積み重ね、信頼を形成し、紹介が発生する状態を作った結果です。
まとめ
士業の収益安定化を考える場合、単純に「問い合わせ数を増やす」だけでは不十分です。
本当に重要なのは、
・どんなサービスを扱うか
・利益が残る単価か
・自分の処理能力に合っているか
・既存顧客との関係を作れているか
・リピートにつながるか
という“収益構造全体”です。
そして、実際に長く安定している事務所ほど、「新規集客だけに依存しない状態」を作っています。
士業は、構造的には非常に利益率が高く、安定しやすい業種でもあります。
ただ、その強みを活かすには、「とにかく問い合わせを増やす」という発想だけではなく、
“どんな事務所経営を目指すのか”まで考える必要があります。
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