行政書士はSNS集客をやるべき?実務現場から見えた現実

行政書士はSNS集客をやるべき?実務現場から見えた現実
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はじめに

行政書士の先生方とお話していると、最近かなり増えたと感じるのが、

「SNSって、本当に仕事につながるんですか?」というご相談です。

特に独立直後や、ホームページ集客に苦戦されている先生ほど、この悩みを抱えています。

一方で、実際にInstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどを始めてみたものの、

・何を投稿すればいいか分からない
・投稿しても反応がない
・途中で止まってしまった
・本業が忙しくて続かない

というケースも非常に多いです。

実際、行政書士業界は少し特殊です。

新人の先生は、一般企業のように「営業研修」を受けて独立するわけではありませんし、SNS運用を体系的に学ぶ機会もほとんどありません。

そのため、多くの先生が、「とりあえずSNSを始めたが、正解が分からない」という状態になっています。

さらに、いくら頑張っても全く認知拡大につながらない状況が数ヶ月続くと、やる気が失せてきて、最終的にはSNSの更新を止めてしまう方は非常に多いです。

そして、ここが非常に重要なのですが、現場を見ていると、“SNSを頑張っているのに成果につながらない先生”には、ある共通点があります

逆に、フォロワー数がそれほど多くなくても、安定して問い合わせを獲得されている先生もいます。

この違いは何なのでしょうか。

実は行政書士のSNS集客は、一般的なインフルエンサー型のSNS運用とは、考え方がかなり違います。

インフルエンサー型のSNS運用とは、広告収入を目的としたり、自己承認欲求を満たすために、できるだけ多くの「いいね」ボタンを押してもらうことを目標にします。

一方、我々のような士業やコンサルは、特にバズる必要はありませんし、登録者数やフォロワーを増やすために、毎日視聴者が喜ぶ投稿を続ける必要もありません。

むしろ、士業だからこそ重視すべきポイントは他にあります。

そこで今回は、士業・コンサル事務所として実際に地域企業支援や士業事務所のWEB集客支援を行う一方、約11万人のチャンネル登録者数を持つ現役YouTuberとしての立場から、

・行政書士はSNSを活用すべきなのか
・どのSNSが業務と相性が良いのか
・行政書士は現実的にどうSNSを運用すべきか

について、実務目線でお話したいと思います。

実は行政書士業務とSNSは相性が悪くない

士業はSNSに力を入れるべき?

行政書士の先生の中には、「士業がSNSをやると、少し軽く見られませんか?」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

確かに、業務内容によっては、SNS形式の情報発信が合わないケースもあります。

ただ、ここで重要なのは、“SNS=遊び”ではないという点です。

今の見込客は、何かサービスを依頼する前に、必ずと言っていいほど検索をします。

ホームページだけではなく、

・YouTube
・Instagram
・X
・Google口コミ

なども、必ずといっていいほど確認しています。

これは行政書士業界に限りません。

例えば飲食店でも、美容室でも、住宅会社でも、今は「事前確認」が当たり前になっています。

実際、みなさんも何かを買う前には、必ずといっていいほど他人のレビューを見るのではないでしょうか。

そんな現状の中、SNS上に全く情報が出てこない行政書士事務所より、

「普段どんな考えで仕事をしているのか」
「専門性がある発言をしているか」
「どんな人なのか」

が少しでも見える事務所の方が、相談へのハードルが下がりやすいのは、ご納得いただけるのではないでしょうか。

行政書士のSNSで最も重要なのは「信頼感

ここを勘違いしてしまうと、SNS運用はかなり苦しくなります。

行政書士のSNSは、フォロワー数を競うゲームではありません。

実際の相談者は、「面白い人」や「有名な人」を探しているわけではないからです。

特に行政書士が対応する方は、

・失敗したくない重要な悩みを抱えている
・安心して相談したい
・専門知識が難しく、自分では対処しきれず困っている

という真剣な不安を抱えた方が多いです。

そのため重要なのは、「この先生はちゃんと実務を分かっていそう」と思ってもらうことです。

つまり、SNSのアクセス数を増やすために面白いことを話す必要はありません。

むしろ、

「実際によくある相談内容」
「制度変更の注意点」
「現場でよくあるミス」

などを、分かりやすく発信することの方が、よほど重要になります。

逆に、どこかで見たような一般論ばかりだと、なかなか印象に残らず、問い合わせにもつながりません。

各SNSの特徴と行政書士との相性

次に、各SNSと行政書士業務の相性についてご説明します。

Instagram

Instagramは、視覚的な印象が重要なSNSで、利用年齢層の中心は10代から30代です。

そのため、

・相続
・終活
・女性向けサービス
・離婚関連

など、一般消費者を対象にしたサービスを提供している行政書士の先生方におすすめのSNSといえます。

また、「親しみやすさ」が重要な業務とも相性が良いSNSです。

ただし、画像作成の負担はあります。

実際、投稿作成に時間を取られすぎて疲弊してしまう方は、士業業界に限らず、Instagramを運営する多くの業種で見られます。

ちなみに、弊社ではInstagramを有料広告以外では利用していません。

X(旧Twitter)

Xは拡散力があります。

そのため、

・法改正情報
・補助金情報
・制度解説

など、情報発信型の先生には向いています。

ただし、流れが非常に速く、投稿寿命が短いという特徴があります。

また、議論文化も強いため、精神的に疲れてしまう先生もいます。

そのため、行政書士事務所の認知拡大のために、Xを「無理に使わない」という判断も重要です。

ちなみに、弊社ではXを利用していません。

YouTube

私が実務上、最も信頼形成力が高く、行政書士向きだと感じるのはYouTubeです

動画は、話し方、空気感、説明力、人柄が伝わりやすいためです。

特に、建設業許可、補助金、在留資格、相続など、「説明が必要な業務」、

つまり行政書士業務全般と非常に相性が良いです。

実際、YouTube経由の相談者は、初回面談の時点で既に信頼形成ができているケースも多く、相談がかなりスムーズに進むことがあります。

例えば、弊社の関連事務所であるアイオン行政書士事務所では、長年YouTubeチャンネルの運営を行ってきました。

そのため、当チャンネルのYouTuberである特定行政書士の畠中初恵先生は、新人行政書士の方の中にも、お会いする前から畠中先生のことをご存じの方がいらっしゃり、新人行政書士の方との交流会では、これまで一度もお会いしたことのない方から、親しげに挨拶をされることも多いそうです。

このように、今までに会ったことのない方から既に信頼されている。

そんな効果をもたらしてくれるのがYouTubeです。YouTubeの信頼獲得力は絶大です。

そのような認識のもと、弊社ではYouTubeを、行政書士業務の認知拡大および信頼獲得に最も効果があるSNSという認識で、長年集客に活用しています。

Facebook

Facebookは、経営者層と無料でつながれる、ビジネスでは非常に重要なSNSです。

特に地域密着型で活動されている先生の場合、見込客との名刺交換後などにFacebookでつながることができれば、その後の営業活動にも大きな力となります。

つまり、「リアルなつながり」とも相性が良いSNSといえます。

また、我々の主たる業務エリアである神奈川県横浜市の経済界では、仕事のやり取りはFacebook、家族や友人との連絡はLINE、という使い分けをしている経営者の方が多いです。

他の地域でも、同様の傾向はあるのではないでしょうか。

そのため、経営者向けサービスを展開している行政書士事務所であれば、Facebookは積極的に活用を検討すべきでしょう。

ただし、若年層向けサービスには、あまり向いているとはいえないSNSです。

実際の現場では「全部やる人」は少ない

士業はSNSに力を入れるべき?

インターネット上の記事を見ると、

「Instagramも、YouTubeも、Xも全部やりましょう」

という内容をよく見かけます。

特に広告代理店系の記事では、このような説明が多い印象があります。

しかし、これを実際にやろうとすると、かなり大変です。

行政書士業務をこなしながら、様々なSNSを高頻度更新するのは、現実的には相当負担が大きく、私は避けるべきだと思います。

実際、SNSを継続し、事務所運営にうまく活用できている先生を見ると、

・YouTube中心
・Facebook中心
・X中心

など、“軸を1つ決めている”ケースが多いです。

特に独立初期は、「全部を完璧にやる」のではなく、

「1つを継続する」方が、結果的に良い成果につながりやすいと思います。

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SNSを永遠に続ける必要はありません

ここは、かなり誤解されやすい部分です。

SNSというと、「毎日発信し続けなければならない」というイメージを持つ先生が多いです。

しかし実際には、ある程度顧問先や紹介ルートが安定すると、新規顧客を積極的に獲得する必要がなくなっていきます。

その段階まで来ると、たとえば【月1回程度にする】、もしくは【必要最低限だけ更新する】という形に変化していきます。

つまりSNSは、“永遠に走り続けるもの”というより、

事業の初期段階で「集客基盤を作るまでの加速装置」という位置づけで考えれば良い、というのが私の考えです。

まとめ

行政書士事務所を運営する先生は、提供サービスから想定される見込客が最も利用しているSNSを選び、集客基盤が安定するまでは、ある程度時間と労力をかけて運営することをおすすめします。

ただし、士業のSNSは、インフルエンサーを目指す必要はありません。

実際に重要なのは、まず見込客にご自身の存在を知っていただくことです。

そして次に、

「この先生なら相談しやすそう」
「実務をちゃんと分かっていそう」
「安心して任せられそう」

信頼感を持って頂くことです。

そのためには、完璧な投稿よりも、

継続
実務感
人柄
接触回数

の方が、実際には重要です。

また、SNS活動は、一生続けなければならないものでもありません

実際の現場でも、2〜3年しっかり継続したことで、紹介や既存顧客だけで事務所が回るようになった先生方を、私は何人も見てきました。

そういった先生は、静かにSNSの更新作業から卒業されていきます。

ですから、まずは過度に構えすぎず、「今後2〜3年は途切れずに続けてみる」ことを一つの目標に、SNSと向き合うのがよいのではないでしょうか。

今回の記事は以上です。お役に立てば幸いです。

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