士業が価格競争に巻き込まれない方法|行政書士・社労士・司法書士が高単価を維持する戦略

はじめに

行政書士や社労士、司法書士として開業すると、「他事務所より安くしないと依頼が来ないのではないか」と考えてしまう先生も少なくありません。
しかし私は、安易な値下げ競争には注意が必要だと考えています。
なぜなら、一度価格競争に巻き込まれてしまうと利益率が低下し、十分なサービス提供や事業成長が難しくなる可能性があるからです。
では、士業はどのように価格競争を避ければよいのでしょうか。
私は、次の3つの要素が重要だと考えています。
今回の記事では、士業が価格競争に巻き込まれないための事務所戦略を3つの要素から解説致します。
1.サービスの付加価値を高める
見込客から「どこに依頼しても同じ」と認識されてしまうと、最終的には価格で比較されやすくなります。
そのため、価格競争を避けるためには、自社独自の価値を作ることが重要です。
1-1 専門性を細分化する

士業業界でも競争は年々激しくなっています。
以前であれば、「外国人在留資格申請が得意な行政書士」程度の差別化でも十分効果がありました。
しかし現在では、業務特化型の事務所は珍しくありません。
そのため、「中国語ができる」「中国の行政制度にも詳しい」「中国人向け在留資格申請支援に特化している」
といったように、さらに一歩踏み込んだ専門性を打ち出すことが必要となっています。
専門性が深まるほど、単純な価格比較から抜け出しやすくなるのです。
1-2 複数の強みを組み合わせる

私の知り合いの行政書士の先生は、建設業許可申請業務で他事務所との差別化を図るため、建設業経理士の資格を取得しました。
その結果、建設業許可申請、経営事項審査対策、公共工事入札支援などを総合的にサポートできる体制を構築しています。
法律や行政制度への知識だけでなく、建設業特有の会計知識も持つことで、他事務所にはない付加価値を提供しています。
このように複数の強みを掛け合わせることも価格競争を回避する有効な方法です。
2.顧客の評価基準を価格以外へ移す
士業サービスは無形サービスです。
そのため、見込客は必ずしも価格だけで依頼先を決めているわけではありません。
2-1 信頼感や人柄を伝える

行動経済学では、人は必ずしも合理的に意思決定しているわけではなく、感情や印象の影響を強く受けることが知られています。
つまり、下記のような印象が依頼先選びに影響を与える場合があります。
そのため、次のような手段を活用し、人柄を伝えることは非常に有効です。
価格ではなく「この先生に依頼したい」と思っていただくことが重要なのです。
2-2 実績をアピールする

実績やお客様の声も有効です。
例えば、次のような情報を公開することで、「この事務所は多くの人に選ばれている」という安心感を与えられます。
価格が高くても選ばれる事務所には、それを正当化する実績が存在することが少なくありません。
2-3 希少価値をアピールする

他社にはない特徴も付加価値になります。そしてその要素は特異である必要はありません。
例えば、一定地域では女性士業が少ない場合があります。
その場合、女性行政書士や女性社労士であること自体が差別化要因になる可能性があります。
一例をあげると、私の地元には女性の皮膚科医の先生がいらっしゃいます。
その先生は苗字ではなく(えみ子)という女医であることがわかりやすい名前をご自身の病院名に使用することで、女性医師が診察することを分かりやすく伝えています。
その結果、地元では女性医師の診察を希望する患者様から支持を得ています。
このように、自身の持つ希少性を見込客へ伝えることは重要です。
3.価格以外の価値を見込客へ伝える方法
どれだけ優れた強みや専門性を持っていても、見込客に伝わらなければ意味がありません。
そのため、価値を伝える仕組み作りが必要になります。
3-1 YouTube動画を活用する

YouTubeなどの動画は、不特定多数の方へ自分の考えや専門知識を伝える有効な手段です。
また動画の活用は、次のようなメリットがあります。
動画を見た回数が増えるほど、見込客は安心感や親近感を持ちやすくなります。
3-2 説明会を開催する

これまで会ったことがない人と、すでに会話を交わしたことがある人。
どちらに親近感を持つかは明らかだと思います。
私はこれまで様々な説明会を開催してきましたが、説明会は信頼関係構築の第一歩として非常に有効だと感じています。
士業サービスは購入までの検討期間が長い傾向があるため、説明会は見込客との接点を作る上で特に有効な手段になります。
3-3 メールマガジンを活用する

メールマガジンは、定期的に見込客へ情報提供できる優れたツールです。
一度の接触で依頼に至るケースは多くありません。
しかし、複数回接触することで信頼感は徐々に高まります。
そのため、メールマガジンを活用して継続的に価値ある情報を発信することは非常に有効です。
尚、最近LINEの方がメールマガジンより開封率などの関係で有効だとおっしゃる方がいらっしゃいますが、私の感覚では、LINEは個人や友人との連絡ツール。一方、メールは仕事用連絡手段と使い分けている形が多い印象ですから、我々はメールを活用すべきです。
3-4 ホームページを活用する

最近は当たり前の存在になっていますが、ホームページは今でも非常に強力な情報発信ツールです。
特にLP型ホームページは、次のような重要ポイントをコントロールしやすいツールです。
そのため、自社の強みや専門性を効率的に見込客へ伝えることが可能です。
まとめ

士業サービスは形のない無形サービスであるため、【重要】見込客は価格だけで依頼先を決めているわけではありません。
しかし、自社の強みや専門性が十分に伝わっていない場合、「どこに依頼しても同じ」と判断され、価格競争に巻き込まれてしまう可能性があります。
そのため、次のような工夫によって独自の価値を作ることが重要です。
さらに、その価値をホームページ、動画、説明会、メールマガジンなどを通じて継続的に伝えていくことで、見込客との信頼関係を構築しやすくなります。
価格競争から抜け出したいと考えている先生は、まず「自社の強みを作ること」と「その強みを正しく伝えること」の両方に取り組んでみてはいかがでしょうか。
今回の解説は以上です。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
























