行政書士など士業のホームページに問い合わせが来ない理由

行政書士・司法書士・社労士など士業事務所の先生方からホームページ集客についてご相談を受けていると、非常に多いのが「ホームページを作ったのに問い合わせが来ない」というお悩みです。
しかし、実際には、ホームページは単に作っただけで問い合わせが発生するものではありません。
見込客は、まず事務所の存在を知り、その後ホームページへ接触し、複数ページを見ながら評価を行い、最後に問い合わせを実行します。
つまり、問い合わせは突然発生するものではなく、複数のステップを経て発生します。そのため、どこか一つの段階で止まってしまうと、問い合わせは発生しません。
そこで今回は、士業ホームページの問い合わせ獲得までの流れを4つのステップに分解しながら、なぜ問い合わせが来ないのか、また、どう改善していけばよいのかについて解説したいと思います。

問い合わせ獲得までの4つのステップ
1)知る

まず最初に必要なのは、見込客に事務所の存在を知ってもらうことです。
WEBからの集客の場合、Google検索やYahoo!検索、Google広告、Facebook広告、YouTube、SNSなどが入口になります。
一方、WEB以外では、異業種交流会での名刺交換や知人からの紹介などがあります。
それ以外にも、知識や経験が豊富な先生の場合、出版した本やセミナー登壇、各種メディア露出などが、自社を初めて知っていただくきっかけになる場合があります。
そして当然ですが、この知っていただく段階が弱いと、そもそもホームページへのアクセス自体が発生しません。
実際、「ホームページに問い合わせが来ない」と悩まれている先生方の中には、アクセス解析を見ると、そもそも訪問者数自体が極端に少ないケースも珍しくありません。
例えば、いわゆるWEBマーケティング業界では、BtoBサイト全体の問い合わせ率(CVR)は、一般的に約0.5〜2%程度と言われています。
つまり、対事業者向けサービスを提供している場合、月1件程度の問い合わせを獲得したいのであれば、単純計算でも月間100〜200程度のアクセス数が必要になります。
この段階での打ち手
この段階では、まず見込客との接点を増やす必要があります。
このステップの具体的対策としては、次のようなものがあげられます。
・SEO対策記事を作成する
・地域名+業務名ページを作る
・Googleビジネスプロフィールを整備する
・Google広告やFacebook広告を使う
・YouTubeやSNSから導線を作る
・名刺やパンフレットへQRコードを入れる
・紹介者が案内しやすいページを作る
特に士業の場合、単にホームページを公開しただけではアクセスは増えにくいため、何らかの「入口」を複数作ることが重要になります。
2)接触する

次は、見込客が実際にホームページへ訪問する段階です。
しかし、ホームページへアクセスされたからといって、すぐ問い合わせになる訳ではありません。
もし、見込客が最初に見たページで、「なんとなく違う」と感じてしまうと、その時点でサイトから離脱されてしまいます。
そのため、第一印象の影響は非常に大きく、トップページの雰囲気や見せ方は重要となります。
つまり、アクセスがあるにも関わらず問い合わせが来ない場合、この「最初の接触」の段階で止まっている可能性があります。
この段階での打ち手
この段階では、まず第一印象を改善する必要があります。
具体的な対応策としては、次のような施策があげられます。
・何の専門家かすぐ分かるようにする
・対応地域を明確にする
・対象者を分かりやすくする
・スマホ表示を見やすくする
・ファーストビューに安心感を出す
・プロフィールや実績への導線を整理する
・ページ表示速度を改善する
特に近年はスマホ閲覧が中心ですので、「スマホで見た際に分かりやすいか」はかなり重要になります。
3)評価する

次は、見込客が複数ページを見ながら、「この事務所へ相談しても大丈夫か」を判断する段階です。
士業サービスは形が見えにくいため、見込客は非常に慎重に比較検討を行います。
比較される要素には、次のようなものがあります。
・専門性
・人柄
・実績
・説明の分かりやすさ
・信頼感
ここで重要なのは、「建設業許可対応します」「相続対応します」「会社設立対応します」といったように、単に業務一覧を並べるだけでは評価されにくいという点です。
この段階での打ち手
この段階では、見込客に安心感と専門性を伝える必要があります。
具体的な対策としては、次のような施策があげられます。
・プロフィールを充実させる
・代表者の考え方を書く
・業務ごとの詳しい解説ページを作る
・相談事例を掲載する
・解決までの流れを説明する
・料金の考え方を分かりやすくする
・実績やお客様の声を掲載する
・ブログ記事やコラムを書く
・動画で人柄や説明力を伝える
・他事務所との違いを明確にする
特に士業の場合、「この先生なら安心して相談できそう」と思ってもらえるかが非常に重要になります。
4)問い合わせを実行する

最後は、見込客が実際に問い合わせを行う段階です。
しかし、ここまで来ても問い合わせされないケースは珍しくありません。
例えば、
・問合せフォームが長すぎる/入力項目が多すぎる
・電話番号が見つからない
・問い合わせ方法が分かりにくい
・相談料が高額など相談のハードルが高い
などの理由で離脱されるケースがあります。
また、士業サービスの場合、人生で初めて士業へ業務依頼を検討している方も多く、
「何から相談してよいか分からない」
「まだ依頼するか決めていない段階で電話してよいのか不安」
「いきなり問い合わせるのは失礼かもしれない」
などと感じている見込客も非常に多いです。
そのため、この段階では、問い合わせの心理的負担を下げる工夫が重要になります。
この段階での打ち手
この段階での対応策としては、次のような施策があげられます。
・問い合わせボタンを分かりやすく設置する
・電話番号をスマホでタップできるようにする
・フォーム項目を増やしすぎない
・無料相談や説明会を用意する
・問い合わせ後の流れを説明する
・「無理な営業はしません」と記載する
・営業時間や対応方法を明記する
・記事下や固定フッターへCTAを設置する
問い合わせが来ない原因は、どこかのステップで止まっている
ここまでご説明したように、問い合わせが来ない原因は一つではありません。
例えば、アクセス数が少ない場合は「知る」が弱い可能性があります。
アクセスはあるのにすぐ離脱される場合は「接触」に問題があるかもしれません。
複数ページを閲覧されているのに問い合わせがない場合は、「評価」の部分で負けている可能性があります。
また、問い合わせページまで見られているのに送信されない場合は、「実行」の部分に問題があるケースもあります。
つまり、ホームページ全体を「問い合わせまでの流れ」として分析することが重要なのです。
士業市場は、そもそも見込客数が少ないニッチ市場

ここで改めて説明したいのが、士業市場そのものの特徴です。
例えば、行政書士に人気の建設業許可ですが、国土交通省発表によると、2025年3月末時点の年間新規取得件数は16,164業者となっています。
一方、生命保険のような全国民が見込客となるサービスの場合、生命保険業界の公開データなどによると、新規契約件数は年間1,243万件とも言われています。
つまり、市場規模で比較すると、建設業許可市場は、生命保険市場のわずか0.1%程度しか存在しない計算になります。
これは非常に重要なポイントです。
つまり、我々のような士業やコンサルが提供するサービスの多くは、そもそも見込客自体が極めて少ない市場に対してアプローチしているのです。
そのため、基本戦略としては、
「より多くのアクセスを集める」
こと以上に、
「数少ない見込客が訪問した際、確実に受任までつなげる」
という導線設計の方が、実は重要になります。
むしろ、士業ホームページでは最重要ポイントと言ってもよいでしょう。
まとめ
士業ホームページは、作っただけでは問い合わせにつながりにくい時代になっています。
問い合わせは、
「知る」
「接触する」
「評価する」
「実行する」
という流れの中で発生します。
そして、どこか一つでも弱い部分があると、問い合わせは止まってしまいます。
また、士業市場は、そもそも見込客数が少ないニッチ市場です。
そのため、SEOだけ、広告だけ、デザインだけを強化しても限界があります。
本当に重要なのは、数少ない見込客が訪問した際に、
「この事務所へ相談したい」
と思ってもらえる信頼形成と導線設計です。
しかしながら、「どうすれば訪問者を受任まで持っていけるのか分からない」と感じる先生方も多いと思います。
そういった場合は、まず、見込客の心理を理解することから始めることをオススメします。
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